岩木山

「岩木山、は本当にきれい。金木からは本当によく見えるのよ！富士山みたい。富士山見たことないけどねえ、本当にきれいよ」
その場で会って会話を交わした方、多々。感謝。電車で正面に座ったおばさまから聞いた話、「われ地域こそ岩木山が一番きれいに見える！と対抗意識がある」と笑いながら教えてくれた。やっぱり小説「津軽」のことを思い出した。読み直したばかりなんだもの。

「や！　富士。いいなあ。」と私は叫んだ。富士ではなかつた。津軽富士と呼ばれてゐる一千六百二十五メートルの岩木山が、満目の水田の尽きるところに、ふはりと浮んでゐる。…
「金木も、どうも、わるくないぢやないか。」私は、あわてたやうな口調で言つた。「わるくないよ。」口をとがらせて言つてゐる

↑弘前公園より、うっすらとのぞく岩木山。天気がよければ、はっきり見えたのに。