金木その二 芦野公園・芦野公園駅

kikuyuki2006-10-08

こんなのどかな駅は、全国にも類例がないに違いない


太宰治の書く芦野公園駅津軽鉄道は冬はストーブ列車、今のこの時期は鈴虫列車で人気ローカル線。その名も「走れメロス号」。やがてそうなることを、太宰は想像できただろうか。
左画像、芦野公園駅旧駅舎は現在の駅の隣にあり、「ラ・メロス」という喫茶だった。2006年度旅本にはお薦めスポットとして出ている情報しか金木の情報を持っていないわたしだから、営業していないのが残念で止まない。地元の人に聞けば、今年初めまでころは営業してたかなー?とのこと。その建物は、かわいらしく、のどか。隣に「太宰ゆかりの地」として芦野公園駅について書かれた文章がつづられている。

やがて金木を過ぎ、芦野公園といふ踏切番の小屋くらゐの小さい駅に着いて、金木の町長が東京からの帰りに上野で芦野公園の切符を求め、そんな駅は無いと言はれ憤然として、津軽鉄道の芦野公園を知らんかと言ひ、駅員に三十分も調べさせ…

五所川原駅から乗った津軽鉄道は平野が広がる。正面のおばあちゃんと会話を交わす。「沿岸は米を収穫後だったが、こちらはまだなのよ」「同じ青森、米の収穫時期が全く違うのよ」と、田んぼを眺めながら。

汽車は、落葉松の林の中を走る。この辺は、金木の公園になつてゐる。沼が見える。芦の湖といふ名前である。


やがて、やがてこの芦野公園に太宰治、彼の文学碑が建立されると彼は想像しただろうか。
広い芦野公園の小高くなった、場所に立つ。