通勤読書 「博士の愛した数式」
記憶と言う当たり前にあると思いがちなものを、人と共有できることを、とてもありがたく思う。
人は記憶を重ねて、それを思い出したりしながら次に進むことが生きる楽しみ方なのだと思ってた。
でも、忘れてしまっても目の前の時間だけ存分楽しんで、人としてその瞬間の自分を見失わなわずに生きていくことも、できないわけではない・・・のかもしれないなどと思ったりもする。
記憶途絶えて進まなくとも、いまこの瞬間を大事に過ごしてくれる人が居る「博士」は自分の記憶がなくなっても自分はある程度自分であり続けることができたのかもしれない。
静けさを愛した博士の過ごした時間を思い出したりする。今を今のためだけに生きても、今を明日のために生きても、迎える朝は同じ。いつも明日明後日、未来のことで焦るな、と感ぜられる。
小説としては読みやすい。狭い世界での出来事でゆるりとした生活が送られている内容だったので読み応えは薄かったけれど。
何を感じ取るかは人それぞれ、って感じな大きくテーマは挙げられないような、個人的には好きな小説だった。
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