金木その一

kikuyuki2006-10-06

小説「津軽」で故郷を語る太宰。彼の生家、現「斜陽館」の塀は一般家庭とは考えられぬほど高い立派な建物だった。

金木は私の生れた町である。津軽平野の中央に位置し、人口五、六千の、これという特徴はないが、どこやら都会風にちょっと気取った町である。
よく言えば水のように淡白であり、悪く言えば、底の浅い見栄坊の町という事になっているようである。

正面にある現在の銀行よりでかい。当時女中も雇うわけだ、納得。陰陽わけるならば、陽だけの、太宰を見たていた気がした。
様々な太宰小説中で出てくる「金木の実家」、実家というのはこの家のことを言っていたのか、ああそうかと溜息が出る感じだった。
展示室で見た太宰の絵、ぼんやりした顔の油絵だっただろうか?「画:櫻庭利弘」と書いてあり。櫻庭氏の美術館は金木町内、芦屋公園近辺にある。そちらでは櫻庭氏にお会いでき、とても紳士な方だった。

  

彼の通った金木第一尋常小学校は跡地として残り、金木小学校に文学碑がある。金木町はありとあらゆるところ、太宰治、の存在を感じさせる。向こうに見えるは、金木小学校。
  
太宰治 思い出広場たる所を発見。小学校からまっすぐ、芦野公園駅金木駅のほうに歩いていたらあった。
なんてことないのだけれど、太宰作品が年代を追って順に刻まれている。「グッド・バイ」は最後から二番目であった、思い込みで最後だとばかり思っていた。